• 2024.02.16

配線工事やエアコン設置、コンセント増設などの電気工事を業者に依頼するときには、費用がどのくらいかかるか気になるのではないでしょうか。

そのような方のために、主な電気工事の費用と内訳を紹介します。

電気工事の見積書を見るときにも役立つでしょう。

 

電気工事にかかる費用5つ

電気工事には、何に対してどのような費用が発生するのでしょうか。

業者から提示された見積書を見て、何に対する費用なのか把握できるよう、電気工事にかかる費用5つを解説します。

 

 

1.歩掛

歩掛（ぶがかり）とは、電気工事に必要な時間と人数を数字で表したもので、「人工（にんく）」という単位を用います。

 

1人工は、次のように1人のスタッフが8時間でできる作業量を表します。

 

（例）

1人で4時間かかる作業：0.5人工

5人で1日かかる作業：5人工

 

とはいえ、8時間でできる作業量や内容は経験や能力、保有している資格によって異なります。

そのため、単純な掛け算では算出することが難しく、国土交通省が定めている工事の種類に応じた歩掛の標準規定をもとに歩掛を設定するのが一般的です。

 

参考：国土交通省「公共建築工事標準単価積算基準」

 

 

2.労務単価

労務単価とは、電気工事の際の人件費のことを指し、基本給以外にも、以下が含まれます。

 

・ボーナス

・各種手当

・昼食・飲料などの費用

 

尚、公共の工事を行う場合は国土交通省が定めた単価をもとに算出しますが、民間工事の場合は、必ずしも国土交通省が設定した単価に設定しなければならないものではありません。

作業員が保有する資格や実績、スキルによって、労務単価が変わる場合があります。

 

参考：国土交通省「令和６年３月から適用する公共工事設計労務単価について」

 

 

3.材料費・運搬費

電気工事に使用する材料にも費用がかかります。

取り付ける照明器具やコンセントなどのほか、軍手や結束バンド、ネジなど作業をするために必要な道具の費用も材料費に含まれます。

また、材料を工事現場まで運ぶ運搬費も必要です。

 

 

4.直接経費

電気工事を実施するためにかかる費用を直接経費といい、例えば以下のようなものが含まれます。

 

・電気工事現場で使用する水道代・電気代

・使用する機械の利用料・整備及び修理費

・ドライバーの給与

 

つまり、電気工事の施工に関わる費用が直接経費に該当します。

 

 

5.出張費

電気工事の現場へ出張する費用のことです。

業者の所在地から工事現場までの距離によって変わり、当然距離が離れていれば離れているほど、出張費が高くなるでしょう。

 

なかには、現場までの距離がさほど離れていなければ出張費を無料とする業者もあります。

 

 

内容別・電気工事費用の相場

電気工事は多岐に渡りますが、ここでは一般家庭やオフィスなどで発生しうる電気工事の費用相場を紹介します。

 

 

照明器具取り付け工事

費用相場：5,000円〜20,000円

 

蛍光灯やLED照明など、直付けの照明器具を設置する場合は1台あたり5,000円から可能です。

しかし、補強工事や穴あけ工事が必要な次の照明は工事費が高額になり、20,000円以上が目安です。

 

・シーリングライト

・ダウンライト

・シャンデリア

 

 

エアコン設置工事

費用相場：家庭用10,000円〜20,000円／業務用10万円〜30万円

 

エアコン設置も電気工事に分類され、一般家庭用のエアコンであれば1台10,000円から20,000円でできます。

ただし、次のような業務用エアコンの設置は費用が高くなり、10万円以上はかかるでしょう。

 

・床置き型：10万円〜20万円

・吊り型・天井埋め込み型：30万円

 

エアコン設置に伴い、室外機の場所変更やコンセント増設、エアコンの配管交換などは、別途工事費用が発生するケースも見られます。

 

 

ブレーカー増設・交換工事

相場費用：増設15,000円〜／交換5,000円〜／アンペア増設80,000〜10万円

 

ブレーカーとは、契約している電流を超えたときや、異常電流が流れたときに、電気の供給を遮断するものです。

ブレーカーを増設したいときには1台15,000円前後、交換するときには5,000円ほどが電気工事費用の目安です。

 

使用可能なアンペアを増やしたいときには、分電盤を交換しなければならないため、新たな分電盤も必要になります。

電気工事費用は80,000円から10万円ほどになるでしょう。

 

 

コンセント増設・新設工事

費用相場：増設12,000円〜／新設5,000円〜

 

コンセントの新設工事費の目安は1箇所5,000円ほどですが、コンセントの増設工事は、次のように工事方法によって費用が異なります。

 

・既存の配線から延長してコンセントを増設する場合：12,000円〜

・コンセント専用の回路を増設する場合：16,000円〜

 

また、状況によっては次のような工事が発生するケースもあります。

 

・分電盤追加

・電気容量増減

・床下作業

・屋根裏作業

 

別途費用が発生しますから、見積もり時に追加工事の有無や費用を確認しておきましょう。

 

 

スイッチ増設・新設工事

費用目安：5,000円〜

 

スイッチは増設であっても新設であっても、一つ5,000円前後で工事可能です。

 

 

LAN工事

費用目安：1坪万〜2万円

 

LANとは、オフィス内など狭い範囲で用いられるネットワークのこと。

このLAN環境を構築するのがLAN工事で、主に次のような作業が含まれます。

 

・配線の設置

・ネットワーク機器の設定

・LANケーブル作成

・LAN環境の構築

 

1坪あたり1万から2万円が工事費用の目安です。

10名ほどの小さなオフィスの場合なら、LAN工事費用は15万円ほど掛かるでしょう。

しかし、複数のフロアがある場合は次のような工事も発生するため、工事費用は高額になることがほとんどです。

 

・壁・天井の穴あけ工事

・LAN配管作成

・ブレーカー増設

 

 

まとめ

電気工事にかかる費用と相場をまとめましたが、ここでご紹介したのはあくまでも目安です。

正確な費用は、依頼する業者や状況によって変わるものです。åよって、電気工事を依頼するときには、複数の業者に見積もりを出してもらう相見積もりをとることをおすすめいたします。

この記事で紹介した相場を参考に、提示された見積書を照らし合わせれば、適正価格かどうか判断できるでしょう。